2011年5月4日水曜日

コミックマーケットとソーシャルメディアの意外な共通点 ~主客一体の価値観~



昨日は、コミックマーケットの創立の一人、米沢嘉博さんの米沢嘉博記念図書館に行ってきました。

米沢さんはコミックマーケットの創立メンバーの一人であり、現在ではかなり有名なコミックマーケットの理念を形作った方として有名です。
漫画の単行本から雑誌、アニメ雑誌や設定資料、また米沢さんは漫画評論家としても活躍されていたので、数々の著書を出されており、それらの膨大な蔵書を読んでいるとあっという間に時間が過ぎてしまう環境でした。
自分の様な人間にはたまらない環境で、ちょくちょく通おうかと思っています♪

その中で、「マンガ・アニメ・ゲーム・フィギュアの博物館学」という本の中に、コミックマーケットの理念や目的が書かれていて、それを読んで感動しました。
コミックマーケットの理念や目的については、こちらのブログで詳しく紹介されています。
コミックマーケットの「理念と目的」


▼全ての人が参加者であり、参加者全員は全て平等
自分はコミケに参加したことが一回しかありませんが、理念を持って運営されていることを本を読んで知り、驚きました。
企業運営もそうですが、理念がないと継続性がないのは当たり前のことで、コミケもここまで継続して大規模な即売会になっている根本には、この理念があったからなのではないかと思いました。

読みこんで行くと、かなり熟考して理念、行動指針が書かれていることがわかります。

中でも、個人的に刺さったのは以下の3つ!
・「出会いの場を提供し、・・・コミュニケーションの場・・・としての意味も同時に持つことでしょう」
・「コミケットをとり行うのは全ての参加者であるというのが基本であり、参加者全員は全て平等であらねばなりません。」
・「コミケットという場をより可能性のある物にしていく為に、参加者は全員、場を維持していく立場で参加してもらう事になります」

この3つの理念を読んだ時に感じたことは、「コレってソーシャルメディアにも言えることなんじゃないか!?」ってことでした。


▼ソーシャルメディアは「個」の時代の始まり。全員が参加者!
最近話題のソーシャルメディア、すっかり聞きなれてきました。

このソーシャルメディアは「個人」がもの凄くフォーカスされるツールであり、
「個人」が参加者にも傍観者にもなれることが凄いのではないかと思う。

今までは「マス」の時代だったので、「個人」の力は弱かったし、「個人」が参加者となれる機会が少なかった。
しかし、ソーシャルメディアはそれを可能にした。
だからこそ、どんどん広まっているのではないか。

誰もがソーシャルメディアを使っていくと、今度はそこに一種のモラルや理念が生まれてくる。
現在、自分がtwitterやfacebook等のソーシャルメディアを使って感じていることは、
①ソーシャルメディアは出会いの場、コミュニケーションの場であり、
②ソーシャルメディアは全員が参加者であるということ。
③ソーシャルメディアの参加者は全員、場を維持していく立場で参加していること。
といった理念のようなもの。
本当にコミックマーケットの理念と同じことを感じています。

①の「出会いの場、コミュニケーションの場」というのは説明の必要がないくらい、ソーシャルメディアを活用している人達には当たり前になっている。
自分もtwitter経由で何人もの人と知り合うことが出来たし、知人や友人とのコミュニケーションはより活発になった。
②については、twitterを情報収集の為だけに使っている人もいますが、リツイートをしたり、他の人のを見ているうちに自分が情報発信者側になっている人も結構しっています。
③については、現時点でtwitterはかなりモラルがある環境だと思っています。ガセやデマが流れてもすぐに発見され、修正される。これは他のソーシャルメディアにも言えることだと思うのですが、これは正に、参加者が全員が場を維持していく立場で参加しているからではないでしょうか。


▼これからの時代は「主客一体」の価値観を頂いて生きる
「個」の時代ということは、いつでも自分が「主役」になる可能性があり、「客」になる可能性もあります。
そんな時代に重要になってくる価値観は「主客一体」という価値観なのではないかと考えています。

主客一体とは、
禅に由来する言葉・価値観で、客のおもてなしというのは招く主が一方的に行うものではなく、招く側(主)と招かれる客が協力し、ともに一体となって作り上げるものであるという価値観です。
そこでは主と客の間に、その場で生み出される何か(ソーシャルメディアで言えば情報、コミケでは創作物)に対する共感がなくてはならない。
お互いが共鳴しあってこそ、主と客がおもてなしの場を共有し、一体感を感じ、すばらしい芸術を生み出すことが出来る。
※参考文献:キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

ソーシャルメディアは、自分が「主」であることもあれば「客」であることもあり、それは頻繁に変わります。
とあるコミュニティでは自分が「主」であるのに、別のコミュニティでは「客」となる。
属するコミュニティによって自分の立場が変わることが日常茶飯事です。

だからこそ、常にこの「主客一体」と価値観が必要なのではないでしょうか。
自分が「主」であるときも、「客」であるときも、「主客一体」の価値観の上で行動をしていたら、どのコミュニティでも素晴らしいモノが生まれるはずなのです。

自分の様な人間は、たまに客であることを良い事に調子に乗ってしまうことがありますが(ダメですいません)、そうではなく「主客一体」の価値観を常に意識して行動していきたいと思います。


かしこまり

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)

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