2011年1月23日日曜日

マザーコンテンツがこれからのキーワード ~漫画家白書発売記念シンポジウム~

昨日は、NPO法人NEWVERYが運営しているプロジェクト、
トキワ荘プロジェクトが主催するイベント
『漫画家白書 「マザーコンテンツ」の創り手はいかに育つか』
に参加してきました。秋葉原にて。
※関連記事 漫画道 白書で伝授


トキワ荘プロジェクトは、次世代の漫画家育成を支援しているプロジェクト。
地方でマンガを描いている漫画家達に、都内で激安で住まいを提供し、
そこで同じ志を持った漫画家たちと切磋琢磨しプロを目指すというもの。


そんな活動をしているNEWVERYさんが、
このたび多くの漫画家にアンケートを取り、
プロ漫画家になるには連載前にどれくらい原稿を書いていたとか、
現在漫画家たちが置かれている環境(年収や家賃)を
定量的なデータとして日本で始めて調査したデータを発表したんです。
今回はその発売記念シンポジウムでした。


シンポジウムの登壇者の方々も
コミックビームの副編集長 岩井さんとか、京都国際漫画ミュージアムの牧野さんとか、
モーティヴの漫画家 一色登希彦さんなどなど。
主催者の菊池さんも言っていたけどかなりシブい方々が来ていて、個人的にはツボでしたw
話は、新人漫画家が現在置かれている状況や出版業界の現状と今後、電子書籍化から
東京都青少年の健全な育成に関する条例の話など幅広く話をしていました。


その中でNEWVERYが今後取り組んでいく3つの構想が大変興味深いものでした。
それは、「マザーコンテンツ構想」、「MBA構想」、「コンテンツデータバンク構想」。




マザーコンテンツ構想
2009年度の邦画の総売り上げ上位10作品のうち、なんと7作品が漫画を原作にした作品だったそうです。
※参考ブログ 激変する漫画業界
このブログ、正に言いたい事すべて書いてありますねw
そう、漫画は、漫画を基幹として映画やアニメ、ゲーム、小説、フィギアなどなど、
様々なジャンルに派生していくコンテンツなのです。
それをNWEVERYの菊池さんは「マザーコンテンツ」と名づけ、
マザーコンテンツをもっと活性化していこうと考えていると。
「カッコいいこと言うけど、じゃあ、実際なにやんだよ」っていうのが次のMBA構想なんです。

MBA構想
経済・経営学と言えばアメリカです。MITやハーバードなど、教育機関が世界レベルで機能しており、
世界中からアメリカで教育を受け、自国に戻りそのノウハウを活かして活躍している人たちがたくさんいます。
最近は中国などの新興国がかなり活発ですが、こと教育においてはまだまだアメリカがNO1でいるでしょう。
では、日本がアメリカのように世界の「漫画」を教育機関としてしっかりと整備し、外国人を受け入れたら?
世界中でより漫画が描かれ、読まれるようになったら?
そんな構想が経営学博士とかけ漫画博士(MBA)として広めていきたいと考えているそうです。
主に、
①観光
②教育
③プロ育成
の3つをMBA構想では考えているようですね。

コンテンツデータバンク構想
これは日本の漫画をどうやってより海外に輸出するか。翻訳や表現の規制は国によって様々。
また漫画家は個人事業主として活躍されているケースが多く、多くの漫画家と繋がりを持てるコミュニティ
はあまりないそうです。ましてやそれがビジネスともなれば大変なのは言うまでもありません。
そんな漫画をまとめて、先に述べたように映画やアニメなど他とのタイアップや、海外に売り出していこうという構想。


非常に興味深く、自分もこの分野に是非関わっていきたいと感じたと共に、
改めて出版不況というか漫画業界も過渡期なんだと感じさせられたシンポジウムでした。

20世紀のビジネスモデルが通用しなくなってきている今、
21世紀型のビジネスモデルをみんな模索しています。
どの業界もそれを模索しています。
漫画業界もそれは例外ではないんだと改めて感じたと共に、
漫画は「マザーコンテンツ」だからこそ、
漫画業界に光が差せば日本経済にも光が差すのではないかと感じました。
大げさかもしれないけどw

自分もこの分野で何か仕掛けていきたいと考えてます。
もっと日本を活性化させたいね。


かしこま

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