2011年2月23日水曜日

漫画業界のイチロー!?

本日は、マンガ評論家 永山薫さん @Kaworu911 の主催した、
マンガ千本ノック 「パソコン初期のデジタルコミック」ゲスト:すがやみつるさん
に行ってきました! ※USTでも見れます!

ゲスト漫画家のすがやみつる先生は、

コロコロや、石ノ森先生原作の「仮面ライダー」や、「ゲームセンターあらし」、ビジネスコミック、架空戦記小説と幅広く活躍している漫画家。
最近は電子書籍だなんだと言われていますが、商業誌掲載という意味では日本で初めてデジタルコミック(しかもマウスで描画!)の描き手です。


今日のトークショーで印象的だったことを大きく2つ。


▼漫画をたくさん描くための方法
この話にはかなりビックリしました。
通常、面白い漫画を描くためにもっと緻密な絵を描ける様にしようとか、
漫画を描く「技術」を向上させていく方が多いと思いますが、すがや先生は「漫画を効率的に描く技術」の向上に焦点をあてていたとのこと。
1980年代当時、まだFAXが世に出始めたころ、FAXの画質も粗く、FAXで原稿を送っても画像が見れなかった。しかし、すがや先生はFAXという利便性を最大限に活用するために、画像が粗くなっても認識できるように漫画の描き方を改良した。
そうすることで、FAXで原稿のやり取りができるようになったとか。いやはや、びっくりな発想。
また、当時はタブレットなども無かった為、パソコンマウスで漫画を効率よく描けるように、漫画の絵を直線と円で描ける様に改良したといった話も。
パソコンで漫画を描くことで、コマ割や絵をたくさん保存しておけるので、漫画を描く時にそこから構図や絵を呼び出して描くと。これをすることによりかなりスピードが上がるそうだ。
すがや先生は、これを漫画のバンクシステムと読んでいたが、仕事の出来る人、プロの人はどんな職業であっても本質をきっちり抑えて効率化してるんだなぁっと勉強させて頂きました。



▼漫画を基準にするのではなく「企画」を基準に漫画を描く
それだけスピーディーに漫画を描ける仕組みを作り、月間で300ページも原稿を描いていたとか。
これも今じゃ考えられないほど凄い話!
複数連載していたからというのもあるそうですが、すがや先生は何より漫画を「企画」を基準に描くようにしていたそうです。
パソコンの紹介・入門漫画「こんにちはマイコン」がきっかけで、色々な業界や出来事を企画し漫画を描く。これが趣味に没頭しやすいすがや先生にはかなり良かったとのこと。
トークショーの中で「1年間で100万冊売れて終わりの漫画ではなく、1年間で10万冊売れればいいから、それを10年続けられる方法で漫画を描き続けたい」といっていた。
イチローさんも、ホームランを打とうと思えば打てるが打率が下がるからやらないっといったニュアンスのことを以前言っていたそうですが、まさにそういった考え方なのではないかと思いました。
ヒットをしっかりと狙い、長く続くスタイルを確立している・・・すごいっす。



プロの人たちは本当に見えない所で色んな試行錯誤を行って、長くあり続けている。

自分もプロであり続けたい。


それにしても、昔のかなり濃い漫画話が聞けて、本当に有意義な時間でした。

また行こう、マンガ千本ノック!


かしこまり

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